5.1 POP サーバの役割
5.1.1 メールボックス
メールサーバが受け取ったメールを格納しておく場所をメールボックスといいます。SMTP サーバがメールを受け取ると、
SMTP サーバは受け取ったメールをメールボックスに格納します。POP サーバは、メールクライアントからの要求に応じて、
メールボックスからメールを取り出し、メールクライアントに送信します。
ユーザ宛に届いたメールは、/var/spoo/mail/[ユーザ名] に保存されます。
POP サーバは、TCP ポート110番でクライアントからのメール受信要求を待ちます。メールクライアントからの要求を受けると
/var/spoo/mail/[ユーザ名] のメールデータを読み出して、クライアントに送信します。
5.2 Dovecot を使った POP サーバの起動
5.2.2 Dovecot のインストール
Devecot は POP3・IMAP 機能を持ち、セキュリティ対策や IPv6 に対応したりしている優れた POP サーバです。
- 書式）dovecot インストール
- # yum -y install dovecot
5.2.3 Dovecot の設定
Dovecot は、デフォルトで IMAP サーバとして動作するように設定されています。POP3 サーバとして稼動させるには、設定ファイル /etc/dovecot.conf ファイルで設定項目 protocols を編集します。
- /etc/dovecot.conf 編集箇所( POP3 を有効にする場合)
- protocols = pop3
設定変更後は、Dovecot の再起動が必要です。
- TELNET コマンドによる POP 利用
-
telnet localhost 110
USER naoki
PASS [パスワード]
LIST ※メールリスト取得 ID のリスト
RETR [ID] ※メール受信
QUIT
5.3 メールクライアント
5.3.1 Linux で使えるメーラー
Linux で使えるメーラーで代表的なものが、sylpheed と thunderbird です。 sylpheed は日本人により開発され、安定した動作から海外でも使われているメーラーです。 thunderbird は Mozilla により開発され、現在多くのユーザに使われているメーラーです。 どちらも Windows 版もあり、無償で利用できます。